2010.06.01
空手の世界では返事は「押忍」である。
稽古中、指導者の言葉に対して常に「押忍」で応える。不思議なことだが、この稽古中の「押忍」の声の大きさと、技術の向上のスピードはほぼ比例している。指導者の声に素早く大きな声で「押忍」と返事をする道場生は上達も早い。
入門したばかりの弟子は、技術では先輩に太刀打ちできないが、声の大きさだけは勝つことができる。たかが返事のような気がするが、実は大きな意味を持っている。
護身術(格闘技はすべてそうであるが)は相手に対する反応行動である。相手の行動に的確に素早く反応することが大切なのだが、何も分からない入門したての弟子も、大きな声で素早く反応することで、自然とこの反応行動の稽古を積むこととなる。
武道、特に護身術は合理的でなくてはならない。すべての行動には必ず意味があるのである。